2014年11月19日水曜日

フィリピンの小学校での給食

フィリピンの小学校で実施している給食プログラムを見てきました!

フィリピン ルソン島西部の町Castillejos。
ここに、1991年ピナツボ山噴火における被災者の再居住区があります。
訪れたのは、この地区にあるバライバイ小学校。
約750名もの生徒が通っています。

お昼休み。教室を勢いよく飛び出す子供たち。
目的地は、校庭、自宅、そして給食室!



今日の献立は、ナスと豚肉のかき揚げ、白菜のスープ、バナナ、ココナッツジュース。
みんな、とても美味しそうに頬張っていました。




給食プログラムと同時にはじめた学校菜園は、6年生の生徒が担当。
かぼちゃ、なす、ゴーヤ、さつまいも、いんげんなど、多くの作物が収穫できるようになりました。
もちろん、給食の食材として使っています。



給食プログラムが開始する前、
昼食は、自宅からお弁当を持参できる子だけが食べていました。
「卵一個だけ」なんて子も珍しくありません。

栄養価の高い給食は、子どもたちの元気の源。
カメラの前で、こんなおどけた表情だって出来ちゃいます。




2014年11月17日月曜日

コーヒーは健康に悪いのか?


起きぬけでスッキリしない頭をシャキっとさせるために、
ランチの後のリラックスタイムに、
残業の効率を上げたいときに、
ついつい飲んでしまうコーヒー。

コーヒーと聞くと、即、「健康に悪い」というイメージを持つ方も
多いのではないでしょうか。

でもやっぱり、ついつい手がのびてしまう、、、それがコーヒー。

そんな方に良いニュースです。

ハーバード大学の研究チームが、約13万人を対象に行った研究で、
コーヒーの摂取と、がんや心血管疾患などによる死亡リスクには関係ない、
という結果が出たそうです。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20141113/1061284/?ST=flicklf

妊娠されている方や、血圧・血糖のコントロールが必要な方は別ですし、
砂糖やクリームを大量に入れたものは想定していないようですが、
無糖または少量の砂糖とクリームを入れただけのコーヒーであれば
1日6杯*までなら、健康に悪いとは言えないようです。
(*1杯あたりカフェイン100mlを含む、約240mlのコーヒーの場合)

TABLE FOR TWOの寄付つき自販機でも、
無糖や微糖のコーヒーは、通常のコーヒーよりも健康的ということで、
寄付の対象となっているケースが多いです。

40〜50代の方を対象に、18〜24年間にわたる研究ということで、
かなり信頼できる研究結果ではないかと思います。

もっと若い時から長い年月続けたらどうなるのか、というのは未知数ですが、
コーヒー党にとっては、嬉しいニュースですよね。


2014年11月14日金曜日

イタリア・トリノでの食の祭典 "Salone del Gusto/Terra Madre" レポート③

"Salone del Gusto/Terra Madre"レポート最後となる今回は、
世界生産者会議"Terra Madre"をご報告します。

"Terra Madre"とは、地域の小規模農産物生産を未来へ残していくために、
生産者・料理人・研究者・活動家・若者が一体となる、世界的にも希有な会議です。

今回、いくつかのセッションに参加しましたが、
その中でも特に印象深く、かつしばしば取り上げられていたトピック
"Food Sovereignty"についてご紹介いたします。



"Food Sovereignty"

日本語に訳すと、「食料主権」と呼ばれる概念です。
世界の全ての人々が食料を入手できる環境、
「食の安全保障」を確保するためのアプローチの一つとされています。

例えば、タンザニアのキリマンジャロ山麓に暮らす農家たちが、
ヨーロッパ市場に向けてコーヒー豆を栽培するのではなく、
自分たちが暮らす土地環境にあった農法で、自身の選択により
栽培する作物を選び、供給先を決定できる権利を持つことが、「食料主権」です。

スローフードは、特に海外諸国が自国民のための食料を確保するために
アフリカの農地を買い占め、自国民のための作物を栽培している現状を
「新植民地主義」 と捉え、世界のどのような経済状況にいる人々も
自身が栽培する食料を選ぶ権利を持つべきだ、と訴えています。



先進国の市場のために作物を栽培することは、その農家へ
貴重な現金収入の機会をもたらします。

一方、その作物の価格が公平に決定されなかった場合、
農家たちは自身が食べる訳でもない作物を栽培し、
結局自分たちのお腹を満たすことのできない量の
現金しか得られない、といった状況に陥りかねません。


2050年には90億人に達するとされている、世界の人口。

その全ての人々の「食の安全保障」を確保するために、
私達の日々の食事から、世界を考えることが必要不可欠になり始めています。







 

 

2014年11月5日水曜日

フィリピンレイテ島での農業支援が始まりました!

皆さん、こんにちは。TFT事務局です。

TFTがはじめた新しい取組み “カロリーオフセット” を通じた支援が、先日、フィリピンのレイテ島で始まりました。

1年前にフィリピンレイテ島を襲った大型台風「ハイヤン」。
約7,000人もの犠牲者を出し、住宅やインフラ、農地なども壊滅的な被害を受けました。

あれから一年が経過したレイテ島。
街中のあちらこちらで道路や住宅の建設が行われるなど、復興に向けた取組みが展開されております。

今回のTFTの支援先は、州都タクロバンから南に約 35km 離れた農村地域。

米とココナッツの栽培で生計をたてている農家さんを対象に、種や苗の提供、農業技術向上のためのトレーニングなど、
現地で自立的にカロリーを生み出すための農業支援を実施します。




2014年10月31日金曜日

イタリア・トリノでの食の祭典 "Salone del Gusto/Terra Madre" レポート②


"Salone del Gusto/Terra Madre"レポート第二弾は、
スローフードが実施する「味の箱船」プロジェクトについて、お届けします。

世界各地の伝統的な品種や食品、伝統的な農法・漁法のなかには、
ごく僅かな生産者たちにより使用されているため、
このままでは消滅していってしまうものがあります。

そのような食材を世界共通のガイドラインで選定し、
プロモーション活動などをサポートすることでその生産や消費を守り、
地域における食の多様性を守ろうというものが、「味の箱船」プロジェクトです。

トリノで先日開催された"Salone del Gusto"でも
世界各地の「味の箱船」が紹介されていました。





日本の昆布、鰹節なども、「味の箱船」に登録されています。


グローバリゼーションにより、世界各地の市場が一つとなった昨今、
大量生産されたより安価な食材が、より多く供給されるようになっています。

古くからその地に根付き、その土地のエコシステムに順応する品種や農法を
守る「味の箱船」プロジェクトのような取り組みは、
このグローバル化された社会で、より持続可能な農業を行っていくために、
必要不可欠なことなのかもしれません。

2014年10月27日月曜日

湘南工科大、「0円朝食」を学食で提供スタート

今日は素敵なニュースが飛び込んできました!

<湘南工科大>学生に「0円朝食」 食生活改善へ 神奈川(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141026-00000023-mai-life


※写真は学食のイメージ写真です。

なんと、大学が学生さんに向けて、無料で朝食の提供をスタートしたそうです。
朝食をいつも食べている学生が3割程度、という現状を改善すべく、
大学理事長の育英基金で代金を負担している、とのこと。
すごいですね。

TFTのプログラムも全国約120大学の学生食堂で導入されていますが、
大学職員や食堂の方々とお話していると、
「節約のためにコンビニおにぎり1つで済ませる学生さんも多いので、
TFTをきっかけに食堂へ来てもらって、バランスのよいメニューを食べてもらえて嬉しい」
といった声をよく伺います。

自分の食生活よりもお金の節約の方に意識がいってしまう学生さんは多いと思います。

ただ、朝食の欠食や、とったりとらなかったりという不規則な生活習慣は、
メタボリックシンドロームの発症につながる、と内科学会で昨年発表されています。
http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2013/002305.php

文部科学省が平成21年度に行った調査では、ふだん朝食をとらない20歳以上の方のうち
高校卒業以降で朝食をとらなくなった方は、男女ともに全体の約7割となっています。
http://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/consider_pamph/pdf/p-3.pdf

今回の湘南工科大のような試みが広がり、
大学生のうちに朝食をとる習慣を身につける方が増えるといいですね。


2014年10月24日金曜日

イタリア・トリノでの食の祭典 "Salone del Gusto/Terra Madre" レポート①

世界に誇る食文化を持つ、イタリア。

中でもとりわけ多彩な文化を保持する、
イタリア北部に位置するピエモンテ州トリノにて、
食の見本市「Salone del Gusto」
世界の生産者会議「Terra Madre」が開催されています。

ファースフードに異を唱えるため、各地の伝統的な生産物や技術、
そしてその食文化を尊重することを目指す
スローフード運動が、1986年イタリアで始まりました。

その運動を推進する団体Slow Foodが、
Salone del Gusto, Terra Madreを主催しています。


今回から3回に渡り、Salone del Gusto/Terra Madreの様子を、
皆さまへご紹介いたします。


Salone del Gustoでは、イタリア各地のみならず、
世界から様々な食材の生産者たち集結し、
彼らが守り続けている食文化を紹介しています。

イタリア各地の食文化を紹介するセクションでは、
オリーブオイル、生ハム、サラミ、トマト等、
イタリアを代表する食材が数多く並びます。

そしてやはりイタリア食文化に欠くことのできないチーズも、
数多く集結しています。
多種多様な原材料、手法を用いて製造された
想像を絶する数のチーズたちが集まっています。


(この辺りまで来ると、もうワインを飲みた...いや飲まざるを得ませんよね。)


また、各地から生産者の方々も集まっています。

この笑顔がチャーミングなマンマは、
イタリア特産の蒸留酒、グラッパの生産者さんです。

ピエモンテ州原産のぶどう種を用いて醸造された、
アルコール度数50%超の芳醇なグラッパを紹介しています。


彼らは、イタリア原産の穀物を生産しており、
その穀物を用いて作られたスープを、来場者たちへ振る舞っています。


次回は、Slow Foodが伝統種保存のために行っている
「Ark of Taste(味の箱船)」プロジェクトについてご紹介します!